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今語ろう、真の「国民年金」の仕組みを! ~年金制度は2階建て~

しっかり解説

(ライター:hashidate amano

「日本の年金制度は2階建てになっている」と聞いたことはあるでしょうか?
その言葉は知っている人でも、実際にどんな風に2階建てになっているのかまでは、なかなか知らないかもしれません。

簡単に言えば1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」ということになるのですが、厚生年金に入っている人も、実はほとんどの場合は「第2号被保険者」として同時に「国民年金=基礎年金」にも加入しています。1階なしで2階だけ、ということにはならないわけです。

この記事では、このような仕組み(基礎年金制度)の基本について解説します。
「年金制度がよくわからない……」と言われる最大の原因である基礎年金制度ですが、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

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「世紀末救世主伝説」感のあるタイトルですが

ファイヤ君
ファイヤ君
実は博士、FP試験の勉強を始める参考にと思って、年金制度のパンフレットとかを見たんですよ。
ところがそこには、「日本国内に住所のある20歳から60歳の人は全員国民年金の加入者です」って書いてあったんです。

https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/kanyu/20140116.html
(日本年金機構の解説) 今までの解説では、「国民年金は、社会保険(厚生年金)に入っている人以外が入る制度」ということでしたよね。 博士の説明が間違ってる、って疑ってるわけじゃ全然ないんですけど、これはどういうことなんですか? (間違ってるのではないかと疑っている)
ザックリー<br>・年金博士
ザックリー
・年金博士
ちっ、余計なことに気付きおって。勘のいいガキは嫌いじゃわい……。

……じゃなかった。ははは、それは大変よい質問だねえ。
もちろん、わしが間違っているわけではない。

現に、同じ年金機構のサイトでも、「国民年金に加入するための手続き」という違う解説ページでは「厚生年金に入っていない人は国民年金に加入が必要」と書いてある。

まさにそこが、年金制度が複雑といわれておるところなんじゃ。だから、わしが間違っているわけではない。
ファイヤ君
ファイヤ君
ほんとですね……。
こうなると何が何だか。
ザックリー<br>・年金博士
ザックリー
・年金博士
「社会保険」にいくつもの意味があったように、「国民年金」という用語にも異なる意味があるんじゃよ。
では、今語ろう、真の「国民年金」の姿を!
ファイヤ君
ファイヤ君
(そんなに気合を入れないと解説できない内容なのか……)
北斗の拳・最終回予告
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国民年金「第3号被保険者」(被扶養者)と「第2号被保険者」(厚生年金加入者)

厚生年金と国民年金は同時に加入している扱いになる(2階建て)

 実は、自分で会社などに勤めて厚生年金に加入している人も、その扶養に入っている配偶者(夫、妻)も、みんな同時に「国民年金」にも加入しています。

 一般的に「国民年金の加入者」と呼ばれているのは、正式には「国民年金第1号被保険者」と言います。
 被扶養配偶者のほうは、「第3号被保険者」と呼ばれており、この名称は比較的耳にすることも多く、これが「国民年金」の一種だとご存知の方もおられるでしょう。

 ところが、自分で働いて厚生年金に入っている人もやはり、「国民年金」の被保険者なのです。このような人を、「国民年金第2号被保険者」と呼びます。

 厚生年金の保険料は原則給料から天引きで、自分で払う必要はないのですが、この厚生年金保険料が支払われた際に、国民年金も同時に支払ったという扱いになっています。
 つまり、公的年金の被保険者は全て「国民年金」の被保険者でもあるのです。そして、全員が加入するこの仕組みを「基礎年金制度」といいます。


©保険年金ざっくりブログ

老後の年金も、厚生年金と国民年金(基礎年金)を両方もらえる

 従って、20歳から60歳までずっと厚生年金でした、という人でも、厚生年金部分に合わせて、ちゃんと国民年金(基礎年金)も受け取ることができる仕組みになっています。
(20歳未満や60歳以上の期間も「第2号被保険者」なのですが、ただしこの期間については国民年金(基礎年金)は受給できません。場合によりますが、別の形で支給されます)

 ちなみに、その扶養に入っている配偶者(第3号被保険者)は、一切保険料がかからない(扶養している側にもかからない)のですが、それでも加入していた年数に応じて国民年金も支払った、という扱いになります。
 その費用は年金制度全体で負担する形になっています。
(この制度についても、改めて後日解説します)

ザックリー<br>・年金博士
ザックリー
・年金博士
「第2号」「第3号」があるのだから、当然「第1号」があるわけで、社会保険に加入していない人を「第1号被保険者」と呼ぶんじゃ。

「第1号」は自分で加入手続きをして、国民年金保険料を支払う必要がある(または免除制度などを申請する)。
つまり一般的にはこの「第1号被保険者」を、「国民年金」の加入者と呼んでいるわけじゃ。
ファイヤ君
ファイヤ君
なぜそんなややこしいことに……。
つまり「第2号」の人は「国民年金」と「厚生年金」に二重で加入してるみたいなもんですよね。
ザックリー<br>・年金博士
ザックリー
・年金博士
国民年金、つまり「基礎年金」と「厚生年金」の二段重ねになっておる。この制度を、「二階建ての年金制度」と呼ぶわけじゃ。
ファイヤ君
ファイヤ君
「二階建て」の言葉はFP3級のテキストにも書いてありますね。まだ、そこまで勉強進んでませんけど。
ザックリー<br>・年金博士
ザックリー
・年金博士
ずっと昔は、「国民年金」と「厚生年金」は今の国民健康保険と健康保険のように、別の制度だったんじゃ。
しかし、「基礎年金制度」が整備された際に、「国民年金」はすべての国民が加入する基礎年金ということになり、その上乗せのトッピング(「二階部分」)として「厚生年金」にも加入するという仕組みに変わったわけじゃ。
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制度が変わっても残った、二つの「国民年金」

 そういうわけで、第1号から第3号までの「国民年金」のうち、第1号のみ(あるいは第1号と第3号)を「国民年金」と呼んで解説などがされている場合というのは非常に多く、ポピュラーな扱いとなっています。

 日本年金機構自体が、それに近い説明をしているというのは、冒頭部で説明した通りです。

 各市区町村役場などのホームページなどを見ても「国民年金に加入するための手続き」などというタイトルで解説が書かれていますが、第1号への加入について説明している場合が多いと思います。
(専門的には、「国民年金第2号から第1号への種別変更」だったりしますが、これで通じる人はほとんどいないでしょう)

 従って、このブログでも、特に明記した場合を除いては、「国民年金」=「第1号」としてざっくりと解説することにします。

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