※写真はブログの中の人ではなく、フリー素材です
(ライター:hashidate amano)
申請が無事に通って、免除や猶予を受けることができた国民年金の保険料。
「でも、やっぱり年金額は減っちゃいますよね?」という不安は正しいのですが、実は10年以内であれば、免除された保険料を後から払う仕組みがあります。
この記事では、その「追納制度」について解説します。
これから免除を受けようと考えている方も、制度をしっかり理解しておけば、安心して申請できると思います。
1万6千円の保険料が浮けば、豪遊できるが
この前の第13話(国民年金保険料の免除制度とは)の最後の補足部分で、年金の全額免除はそもそも得なのか、という難しい計算が出てきましたよね。 要するに、全額免除は実際に払う保険料ゼロなのに、半額は払ったという扱いで年金の受給額を計算してもらえるから、結構得だって話が。
・年金博士
あくまでざっくりブログじゃから、ああいう難しい話は補足という形にしたが、まあその通りじゃ。 インフレで物価が上がるのを考慮しなければ、ずーっと全額免除にしておいて(そんな長期間所得などが条件に当てはまれば、ではあるが)浮いた保険料を貯金しておくという手がある。 その第13話補足でも説明したが、免除せずに保険料を払ったとしても、今の水準だと20年以上もらわんと元が取れんわけじゃからな。
85歳過ぎまでもらわないと元が取れないなら、全額免除にするのは充分ありですね。
・年金博士
まあ、浮いた保険料分を本当にちゃんと貯金し続けられるかとか、色々問題はあるんじゃがな。インフレを考慮すれば、その貯金分をちゃんと投資して運用することも考えねばならん。 実際には、つい浪費で使ってしまうこともあるじゃろう。1万6千円もあれば、豪遊できるからの。
豪遊できますよねえ。近江牛のすき焼きが2回食べられる額ですから。 全額免除を受けるには所得が無かったり、失業後だったりという条件があるわけで。そんな苦境がずっと続いてる状態で貯金し続けて資産運用、って相当特殊な状況ですよね。
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・年金博士
本来は、一時的に収入が途切れて支払うのが難しい、という状況を救済する制度、という趣旨のものじゃからな。 半分払った扱いになる、というのはそれほど知られておらんから、「全額免除で保険料を支払わないと、将来の年金が大きく減ってしまう」と不安になる真面目な人も結構多いんじゃが、少なくとも、苦境にある時の一時的な選択肢としては非常に有用じゃ。 そういう不安を感じる人のために、免除になった保険料を後払いする、「追納制度」というものもあるわけじゃからな。
というわけで、今回の本題に入ります。
免除された国民年金保険料の後払い(追納)
通常は2年以内しか払えない保険料、追納なら10年間まで延長に
全額免除制度などについては、前回までで説明してきた通りですが、一旦支払を免除された保険料について、後から支払うことのできる制度というものがあります。これが「追納制度」です。
この制度は、全額免除の場合だけではなく、半額免除などの一部免除や、納付猶予制度・学生納付特例制度など、単に支払いをせずに済むだけの制度(年金受給額は増えない)を受けた場合にも利用することが出来ます。
具体的には、つまりは免除や減額された分の保険料を後から支払って、最初から普通に支払っていたのと同じ状態にするというものですが、追納制度の優れた点は、免除などを受けてから10年間支払いが可能になる、という点にあります。
本来、国民年金保険料の納付時効は2年(プラス1か月)で、それ以上過ぎてしまえば基本的に払いたくても払うことが出来ませんが、免除等の期間についてはそれが10年まで延びるのです。
困ったときに選択肢を広げるために使うのが免除制度
ですので、失業直後などで1万6千円もの保険料を払えない、という場合、条件に当てはまるならまず全額免除を受けておいて、あとは生活状況を見ながら、払うかどうかゆっくり考えればいいのです。
老後の対策のために、今の生活に困ってしまうのでは意味がありません。
(免除を受けていても、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給には不利になりません)
つまり、各種免除制度は、緊急時における生活資金の振り分け先の選択肢を広げる制度、と考えるのがもっとも妥当だろうと思います。
なお、2年以上経ってから追納する際の保険料額については、若干の加算(利息と考えていいでしょう)が付きますが、昨今の超低金利下ではそれほどの増額にはなりませんので、そこはあまり考えなくても良いかと思います。
とりあえず免除にしておいて、生活資金の余裕を見ながら追納するかどうか判断する。 まさに、家計管理のスキルが生きる制度なんですね。
・年金博士
まあ、運用とか損益分岐とか難しいことを考えずとも、目の前の金に困っている状態では将来の年金どころではないわけじゃから、苦しければとにかく免除にしておいて、後で考えるというので良かろうと思う。 少なくとも、ちゃんと申請しておけば、死亡や障害などの際の年金はちゃんと受けられる、これも大きいからな。未納で放置、これだけは「ダメ、ゼッタイ」という奴じゃよ。
覚〇剤並みのリスク……。 ちなみに全額免除の場合、追納した保険料分の元が取れるかどうかは、前回の補足部分の話と同じで、要するには20年以上もらえるかどうかということでいいんですよね?
・年金博士
解説にあった通り、追納額には利子が若干つく場合があるので、厳密には少し変わって来るがな。 大体同じと思って良いじゃろう。
今回は、ギャグ少な目でお送りしました。
・年金博士
いつもそうだぜ? このブログは。
むやみに焼肉推しなのは気になりますけどね……。
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