(ライター:hashidate amano)
決して安いとは言えない国民年金の保険料。
「できればちょっとでも安く払いたい、でも年金額は減らしたくない……」とつい贅沢なことを考えたくもなりますが、実はそれが可能なんです。
国民年金の保険料は、まだ期限の来ていない分をを前もって支払うことで、額を安くできる制度があるのです。もし2年分の保険料を支払うと、ほぼ1か月分の保険料が浮くことになっています。
この記事では、何種類かある前払い(前納)の仕組みと、クレジットカード払いで保険料を払うことでポイントを付ける、というもう一つの節約法について解説します。
年金額は減らさずに出費を減らす、大変お得なやり方です。ぜひお読みください!
※2023年2月からはスマホ決済で支払うことでポイント還元を狙うこともできるようになりました。その方法については、こちらの記事で解説しています。
【2023年度最新版】スマホ決済で、国民年金保険料を払ってみよう
口座振替がお得でも、残高ゼロじゃ意味ないぜ?
・年金博士
しまった,うっかりしておった。 口座にお金を入れるのを忘れて、4月から国民年金保険料の引き落としができておらんかった。
え? 今日って7月5日ですよ? 三か月分も未納ってことですか?!
・年金博士
だから、ついうっかりしておってな……。 残高不足で引き落としが不能になった場合、翌月に二か月分を再度引き落としをしてもらえるようになっておるんじゃが、ずっと口座の残高がゼロのままではどうにもなるまい?
(これをうっかりの一言で片づけていいものなのか? しかもなぜか得意げ?) いっそ、口座振替をやめて納付書で支払ったほうがましなんじゃないですか?
・年金博士
しかし、口座振替なら、色々とお得な保険料の支払い方法がある。 そのメリットには捨てがたいものがあるんじゃ。 今回はそこを解説しよう。
(解説よりも先に銀行に行くほうが良さそうな……)
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口座振替などでお得に国民年金保険料を支払う方法
保険料の前納制度
国民年金保険料の納付方法には、納付書を毎月銀行やコンビニに持参して支払うというやり方以外にもいくつもの納付方法があり、保険料が割引になる場合もあります。
割引率が大きいものの代表が、口座振替による前納制度です。これは、まだ期限が来ていない将来の保険料を先払いすることで、割引を受けられるというものです。
(口座振替で通常の毎月支払いを行うことも、もちろん可能です)
口座振替の申し込みは、年金事務所または口座のある金融機関で行うことができますが、金融機関での直接申し込みのほうが、事務処理が早い(つまり引き落としの開始が早い)場合があるようです。
前納制度は3種類プラス1
口座振替による前納制度の種類としては、割引額の大きいほうから順に、
(1)2年前納
4月中に、2年分の保険料を先払いする。支払額は381,530円。通常の毎月翌月払いより、15,790円割引。
(2)1年前納
同じく4月中に、1年分の保険料を先払い。額は194,910円で、4,170円割引。
(3)6ヶ月前納
4月と10月に6か月分の保険料を先払い。額は98,410円で、1,130割引。
の三種類があり、より多くの保険料を先払いしたほうが割引額も大きくなります。
(2022年度額)
さらに、
(4)早割制度
本来は翌月末に引き落とされる保険料を、当月末に引き落としてもらうことで、50円の割引を受けることができる。
というものもあります。
なお、納付書による前納も可能なのですが、口座引き落としの場合より、わずかながら割引額が少なくなります(1年前納の場合、割引額は3,530円)。
1年前納と6か月前納の納付書は自動的に送られてきますが、2年前納の納付書は、年金機構に発行依頼をする必要があります(2月1日から3月31日の間に申し込み)
また、納付書による前納の場合に限って、年の途中の月から当年度末や翌年度末までの前納も可能になります。
例えば8月に加入して、2年後の3月までの20か月分の保険料を前納する、ということもできますが、この場合も2年前納と同じく年金機構への専用納付書送付の申し込みが必要です。
2年前納は、確かに割引率は悪くないんだとは思いますが(約4%)、一度に40万近い額が引き落としになるんですよね……。 さすがにこれはちょっと厳しいですね。
・年金博士
常人には不可能な額、と言わざるを得ないだろう。 この世の中は、より多くの資産を持つものが、より得をするようにできているのじゃよ。資本主義社会の、理不尽な現実じゃ。
(それはさすがに大げさでは……)
スマホ決済やクレジット払いでポイントをつける、という方法も。
しかし、キャッシュレス全盛の世の中なわけですし、保険料もそういう現代的な方法で支払う手段があればいいんですけどね。
・年金博士
2023年2月から、スマホ決済での支払いが可能になったぞ。 詳しくは、こちらの記事で解説しておる。
【2023年度最新版】スマホ決済で、国民年金保険料を払ってみる
・年金博士
また、口座引き落としの代わりに、クレジットカードからの支払いというのを年金事務所で申し込むことができる。先ほどの解説にあった前納制度も利用できる。 (「早割」は不可)。 が、割引額が納付書払いと同じ額にしかならず、口座引き落としよりも不利になるので注意が必要じゃ。
割引率が悪いとなると、わざわざクレジット払いにしてもそんなにメリットも感じられないですね。
・年金博士
ただ、クレジット会社にもよるが、ポイント還元がつく場合がある。 もし年間保険料の1%還元ともなれば2000円近い額になるから、これは馬鹿にならん。
そうか、僕は楽天カードだから……(ググる)。あ、国民年金保険料の支払いでも0.2%のポイントがつきますね。 ※以前はもっと還元率が高かった時期もありました
・年金博士
その辺りは、個別で各クレジット会社のサイトなどで確認をしてみて欲しい。
クレジットカード以外にも、スマホ払い(ペイジー)も対応
いわゆるキャッシュレスによる保険料の支払い方法としては、クレジットカードからの引き落とし以外にも、ネットバンキングを利用しての支払い(ペイジー)も可能です(年金機構から送付された納付書に、「Pay-easy」のマークが入っている場合)。
まずはいつも利用している銀行スマホアプリでインターネットバンキングにログインし、メニューから「ペイジー」のボタン等を選んで(「税金・各種公共料金支払い」という名称の場合もある)、Pay-easy」マークの右側に記載された一連の番号を入力します。
続いて、内容確認の画面が出るので、「OK」などのボタンを押すと、インターネットバンキングの口座残高から自動的に支払いが行われます。
特に割引などになるわけではないですが、支払いのために銀行やコンビニの窓口に出向く手間が省けるというメリットはあります。
また、2023年4月1日から7月2日まで限定のキャンペーンですが、「ペイジー支払いで500名様に1万円が当たる」というキャンペーンが実施されています。
2022年にも同様のキャンペーンが実施されていたので、今後もまた開催される可能性もありますね。
なお、一部の銀行のATMでも、スマホと同様の「Pay-easy」支払いに対応しているところもあります。詳細は、各銀行のサイトなどでご確認ください。
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